ぶたさん

友人の家の花壇にぶたさんがいる

 

 

割れ物のぶたさんです

 

 

別に友人って言っているけど友人ではなくもはや知り合いといった方がいいのか

 

 

誕生日が同じってことくらいでしか、盛り上がった記憶はない

 

 

同じクラスになったことが数回あるけど、それでもお互い歩み寄ろうとしないから

 

 

きっともうそういうこと

 

 

 

そんなことはどうでもいいんだけど

 

 

とりあえずその知り合いの家の花壇にぶたさんがいる

 

 

私がこちらに越してきてからだから10年以上

 

 

 

でもなんとそのぶたさんが虚しく真っ二つに割れていたの。おとといの話

 

 

誰かに割られてしまったのかもしれないし、ぶたさんにも歳がきてしまったのかもしれないし、その辺はわからない

 

 

 

でもなぜかそのぶたさんが割れてから初めて私の心に本当にちょこっと残っている、少し切ない感情として

 

 

それまで存在に気がついてはいたけれど

 

 

ぶたさんが生きている時に思い出したことなんて一度もなくて

 

 

割れて初めて、関心を持ったわけです

 

 

いつも通りすがるたびに、あ、って見つけてその瞬間だけ

 

 

 

ぶたさんに小声でもいいから挨拶しとけばよかったかな、なんて

 

 

あ、でもぶたさんにそれをしていたら今頃私は泣いているのかも

 

 

感情を注げば注ぐほど、失った時にこちらに比例して返ってくるんだろうな

 

 

それもそれで、とても怖いことだよね

 

 

話がそれました

 

 

実は今日、こんな私にあいた小さな穴を埋めてくれる出来事があって

 

 

犬の散歩をしていた時に

 

 

その知り合いのお隣の家に全く同じぶたさんがいることに気がついたの

 

 

そこのぶたさんは元気そうでした

 

 

ふふそれだけ

 

 

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